「あさが来た」の脇役たちの切ない恋に泣けた！

高視聴率を記録し、まだまだその感動が記憶に新しい朝ドラの『あさが来た』。波留が見事に演じ切った、実在の人物をモデルにしたヒロイン・白岡あさの波乱の半生に最後まで目が離せませんでした。

波留と夫の新次郎を演じた玉木宏、あさの姉・はつを演じた宮﨑あおいとその夫の惣兵衛を演じた柄本佑という二組の夫婦の物語が中心ではありましたが、それ同時に、サイドストーリーとして描かれた脇役たちの切ない恋が実に感動的だったことは言うまでもありません。

その一人が、三宅弘城が演じていた加野屋の中番頭・亀助の恋です。どこか抜けていながら、誠実でまっすぐな亀助は、同じく加野屋で働いていた女中のふゆに恋をし、最後まで一途な恋を貫きます。最初は一方的な片思いでしたが、新次郎に失恋したふゆに優しく寄り添う姿には涙が出ました。

視聴者の間でもどうやら亀助ファンはかなり多かったようで、後日亀助を主人公にしたスピンオフドラマ『割れ鍋にとじ蓋』が放送されていました。ふゆの父親を説得して、結婚に至るまでの経緯が描かれ、なかなか見応えがありました。このドラマで一気にブレイクした三宅弘城は、松尾スズキが主宰している「大人計画」に所属する実力派俳優で、撮影中もムードメーカー的存在だったらしいです。

もう一人が、女芸人の友近が演じていた女中・うめの大人の静かな恋です。相手は、山内圭哉が演じていた加野屋の大番頭・雁助でした。雁助は妻子に逃げられて一人暮らしというちょっと込み入った立場でしたが、それゆえあからさまにできない恋心が切なく胸に迫りました。

心の奥ではお互いに想い合いながらも、亀助のようにそれを表だって表現しない、落ち着いた大人の恋に胸を熱くした視聴者も多かったのではないでしょうか。何と言っても、芸人のときのお笑いキャラとは全く違う、友近の演技の素晴らしかったこと……。女中として、ずっとあさの横に沿い続けたうめは、ドラマの裏の主人公だったと言えるのかもしれません。

あさが来た　人物相関図

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