「太陽を抱く月」(原題:해를 품은 달)は、韓国MBCで2012年1月から3月まで放送された全20話の時代劇です。
平均視聴率33.0%、最終回は42.2%という驚異的な数字を記録して、韓国では社会現象になりました。日本でもNHK BSプレミアムをはじめBS各局で繰り返し放送されている人気作です。
原作はチョン・ウングォルの同名小説で、脚本はチン・スワン、演出はキム・ドフンとイ・ソンジュンが担当しています。
舞台は実在しない架空の朝鮮王朝。史実に縛られないぶん、宮廷の権力争いと切ないラブストーリーを思いきり描ける作りになっています。
主人公は世子(セジャ)のイ・フォン(キム・スヒョン)。聡明で情の深い青年ですが、その運命は祖母である大王大妃ユン氏(キム・ヨンエ)の野心に翻弄されていきます。
ヒロインは弘文館大提学ホ・ヨンジェの娘、ホ・ヨヌ(ハン・ガイン)。心優しく聡明な少女で、フォンと出会って恋に落ち、やがて世子嬪に選ばれます。
ところが、ヨヌを王室に入れたくない大王大妃とユン・デヒョン(キム・ウンス)は、国巫のチャン・ノギョン(チョン・ミソン)に命じてヨヌに呪詛をかけさせます。
ヨヌは仮死状態に陥り、そのまま亡くなったことにされてしまいます。
じつはヨヌはノギョンの手で墓から助け出されていたのですが、記憶を失い、巫女「ウォル」として生きることになります。
そして8年後。王となったフォンの前に、「厄受け巫女」としてウォルが現れます。
身分も記憶も隔てられたふたりが、それでも惹かれ合っていくというのが、このドラマの大きな流れです。
もうひとりの重要人物が、フォンの異母兄である陽明君(チョン・イル)。
王位から一歩引いた自由な立場で王宮を眺める彼もまた、ウォルに想いを寄せています。フォン・ヨヌ・陽明君の三角関係が、物語に切なさを加えています。
そして、大王大妃とユン・デヒョンの後押しで王妃の座についたユン・ボギョン(キム・ミンソ)。
フォンに恋い焦がれながらも心を得られず、ヨヌを激しく憎んでいきます。
この作品を語るうえで外せないのが、前半を担う子役たちの存在感です。
少年時代のフォンを演じたヨ・ジング、少女時代のヨヌを演じたキム・ユジョン、陽明君の子役イ・ミノ、ホ・ヨムの子役イム・シワン、ボギョンの子役キム・ソヒョン。のちに主役級へ育っていく顔ぶれがそろっていて、「子役編がいちばん面白い」という声も多い作品です。
ちなみに、韓国の時代劇では子役パートが2〜3話で終わることも多いのですが、この作品は6話まで子役が引っぱります。それだけ前半の完成度が高いということでしょうね。
ほかにも、フォンの妹のミナ王女(ナム・ボラ)、ヨヌの兄で科挙首席合格のホ・ヨム(ソン・ジェヒ)、フォンの護衛官キム・ジェウン(ソン・ジェリム)、フォン付きの内官ヒョンソン(チョン・ウンピョ)、ホ家に仕えるソル(ユン・スンア)など、脇を固める人物にもそれぞれ見せ場が用意されています。
宮廷ものというと人物関係が難しそうに見えますが、「太陽を抱く月」は王室・ユン一族・ホ家という3つのかたまりさえ押さえてしまえば、すっと物語に入っていけます。
記事のはじめに掲げた人物相関図を手元に置きながらご覧いただくと、序盤からぐっと分かりやすくなるはずです。

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