「花間令<かかんれい>~Lost in Love~」は2024年の中国ドラマです。原題は「花间令」、全32話。中国では2024年3月15日から4月6日まで優酷(Youku)で配信され、日本では2025年1月29日からCS衛星劇場で初放送されました。その後、BS12トゥエルビとBS11でも放送されています。
主演は鞠婧禕(ジュー・ジンイー)と劉学義(リウ・シュエイー)。監督はゾン・チン(鐘青)、脚本はユー・ハイリン(于海林)とゾン・チン(鐘静)です。
顔に傷を持つ女が婚礼の夜に殺され、別人の顔で生き返って「私を殺したのは誰か」を探る——という、時代劇と推理と恋をひとつに編んだ作品です。事件が次々につながっていく作りなので、人物の関係を一度整理しておくと見通しがぐっとよくなります。
そこで全32話を3つに分け、区間ごとに人物相関図を作りました。この記事はその1本目、第1話から第11話までの顔ぶれです。先の回の人物やネタバレは入れていません。
人物相関図
どこで見られるか(2026年10月時点)
配信の状況は入れ替わりが早いので、見るときは各サービスの作品ページでお確かめください。
| サービス | 配信状況 |
|---|---|
| U-NEXT | 見放題(全32話・日本語字幕) |
| BS11+ | 見放題+単品レンタル(全32話・日本語字幕)。2026年1月1日配信開始 |
| Lemino | 配信あり(作品ページと全32話の各話ページあり) |
| Amazon Prime Video | 配信なし |
| Netflix(日本) | 配信なし |
| Hulu(日本) | 配信なし |
音声は中国語、字幕は日本語です。日本語吹替は、日本の配給元・放送局のいずれの資料にも記載がありません。
放送では、2025年1月29日にCS衛星劇場で日本初放送。2025年9月にはアンコール一挙放送もありました(いずれも放送終了)。その後BS12トゥエルビとBS11でも放送されています。ソフトはDVD-BOX全3巻(各16,500円・税込)が発売済みです。
あらすじ(第1話〜第11話)
再会、婚礼、そして花嫁の死(第1話〜第3話)
京城の画会で、潘樾(パン・ユエ; 劉学義 リウ・シュエイー)が画魁となります。潘樾は父・潘瑾(李培銘)から楊采薇(ヤン・ツァイウェイ; 鄭合惠子 ジョン・ホーフイズー → 鞠婧禕 ジュー・ジンイー)の居所を聞き出す代償に、潘家の籍を抜かれました。たどり着いた禾陽の町で、顔に深い傷を負い、遺体を運ぶ仕事で生きていた采薇と10年ぶりに再会します。
ちょうどそのとき、城東の李家で一家が惨殺され、集団自殺に見せかけられる事件が起きました。采薇が罪を着せられかけますが、潘樾が救い出します。采薇の検視と潘樾の推理で、事件は猛毒「夏鐘草」による毒殺であり、銀雨楼の陳香主(羅偉亮)の犯行だと明らかになりました。
疑いの晴れた采薇に、潘樾は桃花林で求婚します。采薇は10年前に門前払いされた過去を理由に一度は拒みますが、条件つきで承諾しました。
ところが婚礼の直前、潘樾に執着する上官芷(シャングワン・ジー; 鞠婧禕 ジュー・ジンイー → 鄭合惠子 ジョン・ホーフイズー)が采薇をさらい、二人の顔を入れ替えてしまいます。約束の日に婚礼は挙がりましたが、花嫁の顎には以前なかった傷がありました。
なお、二人の名前に俳優を2人ずつ書いたのは、顔が入れ替わると演じる俳優も入れ替わるためです。仕組みは記事の後ろでまとめます。
采薇が目を覚ましたのは崖の下でした。自分が上官芷の姿になっていると気づいた采薇は、やがて恐ろしい事実を知ります。采薇の顔を得た上官芷が潘樾と婚礼を挙げ、その夜、婚房での口論のあとに楼から転落死したのです。采薇は「自分の死体」を目にすることになりました。1か月後、采薇は上官府で目を覚まします。潘樾は禾陽県令に着任していました。
私を殺したのは誰か(第4話〜第8話)
上官芷の兄・上官蘭(張睿 チャン・ルイ)は、財宝と侍女を残して京城へ戻ります。采薇は上官芷を演じながら、潘樾のいる県衙に住み込みました。潘樾は役人を粛清し、「護官符」の存在を知ります。采薇は潘樾の寝所で、自分と師・老姜頭の肖像画を見つけました。
潘樾は偽の采薇の遺体から上官芷の荷包を見つけ、上官芷が妻を殺したと誤解して詰め寄ります。いっぽう卓瀾江(ジュオ・ランジアン; 李歌洋 リー・ゴーヤン)が禾陽に帰り、四大家を集めて潘樾の排除を宣言しました。孫震(孫正霖)が潘樾を妻殺しで公に告発し、潘樾は7日以内に事件を解き明かすと約束します。
このころ采薇は、殺されたはずの師・老姜頭(鐘衛華)と再会しました。老姜頭は、刺客が新郎の喜服を着ていたと証言します。さらに采薇は桃花林で、自分の本当の遺体と、潘樾が建てた位牌を見つけました。潘樾は犯人ではない——そう分かった瞬間です。
采薇は、自分の顔のままになった上官芷の遺体を検視し、頭から金の針を見つけます。針をたどると禾陽一の金匠・六郎に行き着きましたが、六郎はすでに死んでいました。墓を掘り返すと、体内から固まった銀と生死坊の籌碼が出てきます。
潘樾は一夜で白髪になりました。父・潘瑾はここで、10年前の出来事を明かします。廷尉だった采薇の父は、朝廷の反乱勢力を調べていて罠にはめられ、流罪になったのでした。二人は違法賭場・生死坊に潜入し、刺客の衣から「水波紋」の令牌を手に入れます。
そして第8話。采薇は、10年前の事件と今回の事件が同じ「水波紋組織」の仕業だと悟ります。7日目の期日に潘樾は陳香主の配下を捕らえ、妻殺しの疑いを晴らしました。同じ回で、采薇に近づいていた「阿江」の正体が、銀雨楼の少主・卓瀾江であることも分かります。
灯会の連続殺人(第9話〜第11話)
卓瀾江は潘樾に剣を向けますが、采薇が乱葬崗の合言葉を叫んだことで矛を収めます。采薇は卓瀾江に、顔を入れ替えられた真実を打ち明けました。卓瀾江は結納を携えて求婚します。
二人が次に追うのは、5年前の灯会で起きた連続不審死です。河畔に巨大な怪物が現れ、同じ手口の遺体が新たに見つかりますが、怪物は水波紋による情報操作、遺体は偽造だと判明しました。被害者に共通していたのは「暴力で周囲を支配していた加害者」だということ。
第11話で、凶器が「血剣」であり、使い手が済善堂の堂主・顧雍だと特定されます。ここから話は次の区間へ移っていきます。
図の読み解き
楊家 ― 10年前に失われた家
物語の出発点は、10年前にあります。采薇の父・楊濟安は廷尉、つまり裁きを司る高官でした。朝廷の反乱勢力を調べていたために罠にはめられて流罪となり、その道中で采薇は両親を失い、自分も顔に深い傷を負います。
図のいちばん左上に楊家を書いたのは、ここがすべての事件の根だからです。第8話で采薇が気づくとおり、10年前の事件と婚礼の夜の事件は同じ組織につながっています。
禾陽の町 ― 采薇を支える人たち
老姜頭は、身よりを失った采薇に義荘(遺体を扱う仕事場)の仕事を教えた師です。殺されたと思われていましたが、第5話で生きて再会します。
白小笙(バイ・シアオション; 呉佳怡 ウー・ジアイー)は鬼市(闇市)の露店商で、采薇とは10年来の親友。そして卓瀾江に秘めた恋心を抱いています。この三人は、采薇が「上官芷」になったあとも物語の軸であり続けます。
潘家 ― 籍を捨ててまで探した相手
潘樾は朝廷に仕える御史で、第3話から禾陽県令として着任します。注目したいのは第1話で、采薇の居所を父から聞き出すために、潘家の籍を抜かれていることです。再会の時点ですでに、潘樾は家を捨てる覚悟をしていました。
父・潘瑾は10年前の事情を知る人物で、第7話でその一端を語ります。阿澤(漆培鑫)は潘樾の侍衛として、ずっとそばにいます。
なお第1話の画会には、長楽郡主・劉箐(王可如)も顔を出します。潘樾との縁談は、のちに采薇とのあいだの大きなわだかまりになっていきます。
上官家 ― もうひとつの顔
上官芷は上官府の令嬢で、潘樾に執着しています。潘樾が采薇を選んだことが、顔の入れ替えという行動につながりました。
兄の上官蘭は京城一の富豪で、潘樾の親友でもあります。妹を溺愛しているこの人物が、以後どう動くかは見どころのひとつです。侍女の玲児(丁潔)は、采薇が上官芷として暮らすうえで一番近くにいる相手になります。
四大家 ― 町を握る四つの家
禾陽には、町を握る四つの家があります。この区間で出てくるのは銀雨楼(卓瀾江・陳香主)、百花宮の青帝(徐百慧)、生死坊の蔡升(石昊正)です。もう一家の済善堂は、第11話から前に出てきます。
卓瀾江は銀雨楼の少主で、「阿江」と名乗って采薇のそばにいました。かつて傷ついていたところを采薇に救われたことから、彼女に想いを寄せています。采薇・潘樾・卓瀾江・白小笙の四人が描く線が、この作品の恋の輪郭です。
水波紋組織 ― 第8話で姿を見せる敵
第8話で初めて名前のつく敵が「水波紋組織」です。10年前に楊家を陥れたのも、婚礼の夜を仕組んだのも同じ組織でした。図では楊家との結びつきを点線で書いています。
顔が入れ替わるとはどういうことか
この作品でいちばん分かりにくいのが、入れ替わりの仕組みです。整理しておきます。
俳優は「顔」のほうを演じ続けます。
| 第1話〜第2話 | 第3話以降 | |
|---|---|---|
| 鞠婧禕(ジュー・ジンイー)=上官芷の顔 | 上官芷 本人 | 上官芷の顔になった采薇(以後の主人公) |
| 鄭合惠子(ジョン・ホーフイズー)=采薇の顔 | 楊采薇 本人 | 采薇の顔になった上官芷。婚礼の夜に転落死 |
つまり鞠婧禕の一人二役で、鄭合惠子は序盤だけの友情出演です。婚礼の夜に転落死したのは「采薇の顔をした上官芷」であり、采薇自身は崖の下で生き延びていました。そして采薇の顔は最終回まで元に戻りません。
中国語の資料はこれを「換脸(顔の入れ替え)」と書き、日本の公式紹介は「身体を入れ替えられてしまう」と書いています。言い方は分かれますが、采薇が上官芷として生きることになる、という結果は同じです。
主な配役
| 役名 | 俳優 | 役どころ |
|---|---|---|
| 楊采薇 | 鄭合惠子 → 鞠婧禕 | 義荘で遺体を扱う。顔を奪われる |
| 上官芷 | 鞠婧禕 → 鄭合惠子 | 上官府の令嬢。潘樾に執着する |
| 潘樾 | 劉学義 | 御史、のち禾陽県令。采薇の幼なじみ |
| 卓瀾江 | 李歌洋 | 銀雨楼の少主。「阿江」と名乗っていた |
| 白小笙 | 呉佳怡 | 鬼市の露店商。采薇の10年来の親友 |
| 上官蘭 | 張睿 | 上官芷の兄。京城一の富豪で潘樾の親友 |
| 玲児 | 丁潔 | 上官芷の侍女 |
| 潘瑾 | 李培銘 | 潘樾の父 |
| 阿澤 | 漆培鑫 | 潘樾の侍衛 |
| 老姜頭 | 鐘衛華 | 采薇に義荘の仕事を教えた師 |
| 陳香主 | 羅偉亮 | 銀雨楼の香主。李家惨殺の犯人 |
| 青帝 | 徐百慧 | 百花宮の主 |
| 蔡升 | 石昊正 | 生死坊の主 |
日本での俳優名の表記は、ジュー・ジンイー(鞠婧禕)、リウ・シュエイー(劉学義)、ジョン・ホーフイズー(鄭合惠子)、ウー・ジアイー(呉佳怡)、リー・ゴーヤン(李歌洋)、チャン・ルイ(張睿)です。公式に日本語表記が出ていない俳優は漢字で書きました。
主題歌と挿入歌
主題歌・挿入歌は、日本の配給元・放送局がいずれも曲名を出していないため、日本語の公式表記がありません。ここでは中国語の曲名と歌手名をそのまま書きます。
- オープニング(片頭曲)/「近在咫尺的天涯」 歌:胡夏 作詞:張靖怡 作曲:劉炫豆
- 主題歌・エンディング(片尾曲)/「門」 歌:周深 作詞:張靖怡 作曲:劉炫豆
主題歌の「門」と片頭曲の「近在咫尺的天涯」は、作詞・作曲が同じ張靖怡と劉炫豆の組み合わせです。
おもな挿入歌は次の8曲です。
| 曲名 | 歌 | 作詞 | 作曲 |
|---|---|---|---|
| 沉霜 | 李鑫一 | 楊雨心 | 劉炫豆 |
| 花間語 | 張紫寧 | 拾一 | 劉嘉 |
| 桃花吟 | 賴美云 | 張華旗 | 馬原 |
| 千劫 | 于毅 | 徐杰 | 潘英健 |
| 無量 | 劉文濤・祝芝浩 | 楊東英 | 馬原 |
| 幽幽相送 | 王靖雯 | 拾一 | 劉嘉 |
| 愛如塵 | 靜然・譚傑希 | 拾一 | 劉嘉 |
| 所幸 | 徐子未 | 張靖怡 | 張靖怡 |
主演の鞠婧禕は歌手としても活動していますが、確認できた範囲では、本作のサウンドトラックに本人の歌唱曲はありません。
サウンドトラックは「花间令 电视剧原声带」として2024年3月26日に出ており、全22曲(歌もの11曲とインストゥルメンタル11曲)。日本のApple Musicでも聴けます。なお、どの曲が劇中のどの場面で流れるかは、公表された資料が見つかりませんでした。
この区間で押さえておきたいこと
- 第2話から第3話が最大の山場。 求婚、顔の入れ替え、婚礼、花嫁の転落死が一気に起きます
- 潘樾は犯人ではない。 采薇は第5話で桃花林の位牌を見てそれを知り、第8話で疑いが公に晴れます
- 敵の名は第8話で出る。 「水波紋組織」が10年前の事件ともつながっていると分かり、話が大きくなります
第12話からは済善堂への潜入が始まり、10年前の事件に手がかかります。続きは次の記事にまとめました。

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