「あさが来た」は2015年度下半期に放映されたNHK連続テレビ小説(いわゆる朝ドラ)で、大同生命を設立した実在の女性実業家 広岡浅子の一生をドラマ化したものです。
ドラマでは広岡浅子は白岡あさ(波瑠)、広岡家の屋号 加島屋は加野屋、実家の(小石川)三井家は今井家など、少し名前が変わっているところもありますし、一部脚色されたり省略されたりしているところはありますが、おおむね史実に即したストーリーになっています。
京都の大富豪今井家の忠興(升毅)と梨江(寺島しのぶ)の子として生まれた「あさ」は姉のいいなづけが早世したために、大阪の両替商の息子の白岡新次郎(玉木宏)と結婚します。
しかし、ちょうど時代は幕末から明治維新にいたる大変動期で、江戸時代の大名に貸していたお金を返済してもらうために、あさは女だてらに奮闘します。
夫の新次郎は遊び人のぼんぼんで、仕事はほとんどしません。
そこで、あさは病弱の義父 白岡正吉(近藤正臣)や夫に代わり、加野屋の先頭にたって働きます。
おりしも、あさの姉 眉山はつ(宮崎あおい)の嫁ぎ先の山王寺屋は経営破たんし夜逃げしてしまいますが、あさが率いる加野屋は、大胆にも炭鉱経営に乗り出すなど、明治維新の混乱を乗り越えていきます。
その、あさを支え続けたのが薩摩藩士で、のちに近代大阪経済の父といわれる五代友厚(ディーン・フジオカ)です。
さらに今井家から付いてきた、うめ(友近)や大番頭の雁助(山内圭哉)、番頭の亀助(三宅弘城)、姑の白岡よの(風吹ジュン)、新次郎の弟 栄三郎(桐山照史)などにも支えられて、加野屋は江戸時代の両替商から近代的な加野銀行に生まれ変わります。
そして、新次郎の三味線の師匠 美和(野々すみ花)との微妙な関係、娘の千代(小芝風花)の成長と、あさとの確執、姉の嫁ぎ先の眉山家との交流などが描かれながら、女子大学校設立に奔走する成澤泉(瀬戸康史)への援助など、半年間、月曜から金曜まで放映されながら、全く飽きさせないすばらしいストーリーでした。
鮮烈な日本デビュー?を果たしたディーン・フジオカ演じる五代友厚の死は、五代ロスと呼ばれる社会現象になるなど、NHKでしかできない名優総出演ともいうべきキャストの素晴らしさも特筆すべきでしょう。
もちろん、2000人以上の参加者のオーディションを勝ち抜いて連ドラ初主演を勝ち取った波瑠の演技も、危なげなく、名優たちに負けてはいませんでした。
はつの夫の惣兵衛(柄本佑)、その父 栄達(辰巳達郎)、母の菊(萬田久子)、加野銀行支配人の山崎平十郎(辻本茂雄)、あさの祖父 今井忠政(林与一)、千代の親友の田村宜(吉岡里帆)などなど、数え上げればきりがありません。
そして、この「あさが来た」はNHK連続テレビ小説では21世紀最高の平均視聴率(23.5%)を獲得しています。
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