それでは2025年のドラマ視聴率ランキングです。
まず数字の区切りから。年間1位が11.0%。2024年の11.3%をさらに下回りました。
2020年の半沢直樹が24.76%、2021年が16.4%、2022年が14.5%、2023年が14.3%、2024年が11.3%。下げ幅は小さくなりましたが、5年続けて前の年を割っています。10%を超えたのは5本で、2024年の7本から減りました。
そして2025年は、上位5本のうち4本がTBSの日曜劇場です。1月期・4月期・7月期・10月期の4作がそろって1位・2位・3位・5位に入り、そのすき間に相棒が1本入っているだけ。2024年が「団子」の年だったとすれば、2025年は日曜劇場が上を押さえた年でした。
それでは民放の連続ドラマから。
10位 7.7%で小泉今日子・中井貴一の続・続・最後から二番目の恋。岡田惠和さんの脚本で、2012年の第1期、2014年の第2期に続く11年ぶりの第3期です。第1期は木曜劇場でしたが、今回は月9での放送でした。
9位 8.1%で井ノ原快彦主演の特捜9 final season。前身の『警視庁捜査一課9係』から数えて通算20作目で、このシーズンでシリーズが完結しました。
8位 8.5%で大追跡~警視庁SSBC強行犯係~。大森南朋さん・相葉雅紀さん・松下奈緒さんのトリプル主演で、脚本は福田靖さん。水曜21時の刑事ドラマ枠の新作は、2015年の『刑事7人』以来です。
7位 9.0%で天海祐希主演の緊急取調室5。連ドラとしては第5シーズンで、放送後の2025年12月26日に劇場版『緊急取調室 THE FINAL』が公開され、シリーズの完結作とされています。
6位 9.6%で水谷豊主演の相棒24・前期。2000年の土曜ワイド劇場での誕生から数えて、この年がシリーズ25周年です。
5位 10.2%で松本潤主演の19番目のカルテ。富士屋カツヒトさんの漫画『19番目のカルテ 徳重晃の問診』が原作で、脚本は坪田文さん。総合診療医を主人公にした医療ドラマで、全8話でした。
4位 10.4%で同じく相棒23・後期。
3位 10.6%で妻夫木聡主演のザ・ロイヤルファミリー。早見和真さんの同名小説(山本周五郎賞・JRA賞馬事文化賞)が原作で、競馬の世界を描きました。JRAが全面協力し、Netflixでも配信されています。初回11.7%、最終回11.4%と、初回と最終回がほぼ同じ高さでした。
2位 10.7%で松坂桃李主演の御上先生。詩森ろばさんのオリジナル脚本による学園ドラマです。松坂桃李さんは日曜劇場初主演。最終回は11.8%でした。
1位 11.0%で阿部寛主演のキャスター。報道番組を舞台にしたオリジナルです。初回は14.2%。ビデオリサーチの2025年年間ランキング(リアルタイム・個人視聴率)では、この初回がドラマ部門で朝ドラ2作に次ぐ3位(個人8.7%)で、民放の連続ドラマではいちばん上でした。
11位 7.6% 119エマージェンシーコール
12位 7.2% プライベートバンカー
13位 7.1% じゃあ、あんたが作ってみろよ
14位 6.9% しあわせな結婚
15位 6.6% クジャクのダンス、誰が見た?
16位 6.5% PJ ~航空救難団~
17位 6.4% 秘密~THE TOP SECRET~
18位 6.1% ちょっとだけエスパー
19位 6.0% 家政夫のミタゾノ7
20位 6.0% まどか26歳、研修医やってます!
11位の119エマージェンシーコールは清野菜名さん主演の月9で、119番通報を受ける指令管制員たちの話です。2026年1月3日には新春スペシャルが放送されました。
14位のしあわせな結婚は阿部サダヲさん主演、大石静さんの脚本。ギャラクシー賞の9月度月間賞を受けています。
15位のクジャクのダンス、誰が見た?は浅見理都さんの漫画が原作で、広瀬すずさん主演。
17位の秘密~THE TOP SECRET~は清水玲子さんの漫画『秘密-トップ・シークレット-』が原作で、カンテレの制作です。
18位のちょっとだけエスパーは大泉洋さん主演、野木亜紀子さんのオリジナル脚本でした。
20位のまどか26歳、研修医やってます!は、水谷緑さんのコミックエッセイが原作です。
局別では、テレビ朝日が10作、TBSが7作、フジテレビ系が3作(うち1作はカンテレ制作)。日本テレビとテレビ東京はゼロです。2024年は日本テレビが3作入っていましたが、2025年は1作も入りませんでした。テレビ東京は3年連続でゼロです。
テレビ朝日は10作のうち、水曜21時が4作(相棒が2作、大追跡、特捜9)、木曜21時が4作(緊急取調室5、プライベートバンカー、しあわせな結婚、PJ)。この2つの枠だけで8作がベスト20に入りました。
TBSの日曜劇場は、2024年に続いて4クールすべてがベスト20入り。しかも2025年は4作とも5位以内です。
NHKは、大河ドラマのべらぼう~蔦重栄華乃夢噺~が期間平均9.5%。横浜流星さん主演、脚本は森下佳子さんで、江戸の出版人・蔦屋重三郎を描きました。この数字は2019年のいだてん(8.2%)に次いで、大河で2番目に低い記録です。一方で、NHKプラスでの初回の視聴数は、それまでNHKプラスで配信したドラマで最多と報じられました。
連続テレビ小説は、あんぱんが16.1%。今田美桜さん主演、脚本は中園ミホさんで、やなせたかしさんと妻の小松暢さんがモデルです。最終回の18.1%が番組最高でした。続くばけばけ(2025年9月〜2026年3月)は15.2%。髙石あかりさん主演、小泉八雲の妻・セツがモデルです。2024年度後期のおむすびは2025年3月に終わり、期間平均13.1%は朝ドラの歴代最低でした。
そして今年も、2025年にいちばん見られた連続ドラマは朝ドラです。あんぱん16.1%も、ばけばけ15.2%も、民放1位のキャスター11.0%を大きく上回っています。ビデオリサーチの2025年年間ランキング(リアルタイム・個人視聴率)でも、ドラマ部門の1位はあんぱん、2位はばけばけでした。
視聴率の表と、配信と賞の表
2022年はsilent、2023年はブラッシュアップライフ、2024年は不適切にもほどがある!。毎年「ランキングの下のほうにいるのに、いちばん話題になった作品」がありました。2025年は、それがはっきり数字で出ました。
13位のじゃあ、あんたが作ってみろよです。夏帆さん・竹内涼真さんのW主演、谷口菜津子さんの漫画が原作のTBS火曜ドラマでした。
ビデオリサーチがまとめた2025年の見逃し配信ランキング(配信開始から8日間の再生数)で、この作品の11月18日放送回が522万回で、ドラマだけでなく全ジャンルの1位でした。2位の水曜日のダウンタウンとは約1万回差です。
ところが、その11月18日の回のリアルタイム視聴率は6.7%。作品全体の平均は7.1%で、年間13位です。TVerアワード2025のドラマ大賞、その期のドラマアカデミー賞の最優秀作品賞も、この作品が取りました。
同じ見逃し配信ランキングのドラマを並べると、こうなります。
- 1位 じゃあ、あんたが作ってみろよ(522万回)→ 視聴率13位
- 4位 良いこと悪いこと(366万回)→ 圏外(平均5.8%)
- 5位 御上先生(366万回)→ 視聴率2位
- 6位 続・続・最後から二番目の恋(333万回)→ 視聴率10位
- 7位 対岸の家事~これが、私の生きる道!~(314万回)→ 圏外(平均6.0%)
- 8位 しあわせな結婚(302万回)→ 視聴率14位
- 9位 キャスター(300万回)→ 視聴率1位
- 10位 119エマージェンシーコール(292万回)→ 視聴率11位
視聴率1位のキャスターは、配信では9位。逆に、配信の1位は視聴率13位です。そして良いこと悪いこと(日本テレビ・土曜9時)は配信で4位なのに、ベスト20には入っていません。
賞のほうも見ておきます。ザテレビジョンのドラマアカデミー賞で、2025年の各期の最優秀作品賞はこうでした。
- 冬 御上先生 → 視聴率2位
- 春 波うららかに、めおと日和 → 圏外(平均5.8%)
- 夏 僕達はまだその星の校則を知らない → 圏外
- 秋 じゃあ、あんたが作ってみろよ → 視聴率13位
4作のうち、視聴率の上位に入ったのは御上先生だけです。御上先生は東京ドラマアウォード2025でも連続ドラマ部門の優秀賞を取り、松坂桃李さんが主演男優賞を受けました。2025年に視聴率・配信・賞の3つでそろって上位にいたのは、御上先生でした。
波うららかに、めおと日和は芳根京子さん主演のフジテレビ木曜劇場。平均5.8%でしたが、2026年10月期に続編が放送されています。
2024年は、視聴率・配信・賞がそれぞれ別の答えを出した年でした。2025年は、その差がもっと開きました。配信では全ジャンルの頂点に立った作品が、視聴率では13位にいる。数字の表がひとつでは足りなくなった年です。
2024年のランキングはこちら / 2023年のランキングはこちら / 2022年のランキングはこちら
※ 平均視聴率はビデオリサーチ調べ・関東地区の世帯視聴率をもとにした集計値です。前期・後期の区分は放送期間による。見逃し配信の再生数は、ビデオリサーチの「2025年テレビ視聴率」(TVer DATA MARKETINGのデータをもとに作成・配信開始から8日間)による。各賞の受賞はいずれも発表・報道による。
