2016年1月17日から3月20日までTBS系の日曜劇場でオンエアされた、毎週日曜日21時からのドラマ「家族ノカタチ」は、現代に合った心温まるストーリーに注目ですね。
香取慎吾さん演じる大介は、文具メーカーに勤務しながらマンションを購入した39歳の独身で、人を傷つけるのも、人から傷つけられるのも怖く、自分の殻に閉じこもって人との関わりを避けていますが、とても優しい人です。
そして、上野樹里さん演じる葉菜子は大介の部屋の真上に住む大手商社でOLをしている32歳のバツイチ独身で、自分にも他人にも厳しい強い女性です。
2人が親に助けられながら、少しずつ成長していく様子は、心から応援したくなります。
大介が自分を守るばかりに、逆に人を傷けている様子は、とても印象に残っています。人を見なければ、見ないふりをしていれば自分は傷つかずに済みます。しかし、その行動が人を傷つけていることまでは、気が回りません。
西田敏行さん演じる大介の父、陽三が諭している場面は、とても心に響きました。
そして、西田さんの体を張った演技は見逃せません。陽三は、末期ガンに侵されますが、西田さんは見る見るうちに顔色が悪くなり、痩せていきます。本当に病気ではないかと心配するほどでした。
また、父親をほったらかして葉菜子のもとにころがりこんできた熊谷律子(風吹ジュン)も、子育てが終り老境に達した主婦が、旦那との2人のくらしに息詰まってしまった感じがよく出ていますね。
風吹ジュンは、NHK朝ドラ「あさが来た」の姑役など、いつのまにか演技派女優として欠かせない人になりました。
そのほか、陽三の再婚相手で大介が怪しむ女 永里恵(水野美紀)とその連れ子の浩太(髙田彪我)、葉菜子の元旦那の高瀬和弥(田中圭)、大介の元カノの大野美佳(観月ありさ)、大介に好意を寄せる葉菜子の部下の田中莉奈(水原希子)、大介の同僚の佐々木彰一(荒川良々)など、多彩な人間模様がテンポ良く描かれていきます。
TBSの日曜劇場なので、決して軽くはないテーマが底辺に流れているのですが、暗くならないのは、後藤法子さんの脚本のなせる技でしょうか。
誰もが人を傷つけたくないし、人に傷つけられたくないでしょう。しかし、一歩踏み込む勇気や失敗を繰り返してこそ、成長できることをこのドラマで教えられました。
「家族のカタチ」は家族や人との関わりの大切さを見直すことができ、幅広い年代の方が楽しめる作品ですね。
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