2016年7月8日から始まったTBSの金曜10時ドラマの「神の舌を持つ男」ですが、料理人の話かと思いきや、温泉場で背流しやマッサージなどをする伝説の三助の孫たち3人が、温泉場をまわりながら殺人事件を解決していくというドラマです。
「演出の堤幸彦が構想に20年を費やした念願の作品」だそうで、
「向井理、木村文乃、佐藤二朗が温泉場を舞台に繰り広げるコミカルミステリー」です。
2時間サスペンスを下敷きにしたギャグ満載で、佐藤二朗が突っ込むタイミングが絶妙です。
向井理さんが演じる朝永蘭丸の父の竜助は京都大学薬学部の教授で、滋賀県の伊吹山に研究室を持っています。
蘭丸も京都大学薬学部の大学院生で、伊吹山にこもって研究していて、世間のことは何も知りません。
孫の行く末を案じた伝説の三助の平助は、孫の蘭丸に三助の技を伝授しました。
対照的な父親と祖父を持つ蘭丸は、いつしか、舌でなめると物質の化学組成がわかるという「神の舌」と、三助の技を会得してしまいます。
ですから蘭丸は女性とキスすると相手の口の中の物質が浮かんできて女性を生理的に拒否するようになります。
そんなときに祖父の平助が亡くなり、その葬儀の席でミヤビと名乗る女性にキスをされるのですが、そのときには全く物質を感じることがなく、それで蘭丸は恋に落ち、全国のひなびた温泉場をめぐってミヤビを探す旅に出ます。
木村文乃さんが演じる甕棺墓光(かめかんぼひかる)は怪しげな行商の古物商で、世間知らずの蘭丸に好意を持って、ボロい車でいっしょに旅をしています。
お金を貯めて青山の骨董通りに店を構えるのが夢みたいですが、二束三文の古道具を安値で仕入れて、高価な骨董品として売りつけるという詐欺まがいの商法をしています。
客がいなくて暇なので2時間サスペンスを見続けたため、2サスマニアとなり、視聴者目線で推理するのですが、その間違いを宮沢寛治に突っ込まれるという役まわりです。
その佐藤二朗さんが演じる宮沢寛治は、何者かは不明ですが、世間知らずの蘭丸の「神の舌」と「三助の技」に目をつけて、蘭丸のマネージメントのようなことを勝手にやっています。
3人は蘭丸の初恋の芸者ミヤビを追って温泉場をめぐるのですが、その行く先々で難事件が勃発します。
それを蘭丸の「神の舌」が解決するというお話ですね。
温泉場を舞台としたサスペンスのの上に、こってりとギャグとパロディーとツッコミを塗り固めたようなドラマなので、好き嫌いが分かれるとは思います。
ですが、吉本新喜劇とかがお好きな方には見逃せないドラマだと思います。
特に、NHKの朝ドラ「だんだん」でヒロインの相手役に抜擢されながら、アトピー性皮膚炎で芸能界引退の淵に立たされたこともあった木村文乃さんの演技はすごいですよね。
第38回エランドール賞新人賞を受賞されただけのことはあります。
そして木村さんの一生懸命の長せりふを1発のツッコミで撃沈させる佐藤二朗さんの技も凄いです。
TBSのホームページには「2時間サスペンスドラマの女王が続々登場!!」と書かれているのも楽しみですね。
ちなみに初回は温泉宿の女将を片平なぎささんが演じています。
第2話の女将は山村紅葉さんのようです。
ともかく、世界は怪しげな方向に進みつつあるようですが、そんな嫌な雰囲気を吹き飛ばしてくれるパワー炸裂のドラマに出会えましたね。
|
コメント