「馬医」(原題:마의)は、韓国MBCで2012年10月から2013年3月まで放送された全50話の時代劇です。
「宮廷女官チャングムの誓い」「イ・サン」「トンイ」などで知られるイ・ビョンフン監督の作品で、脚本はキム・イヨンが手がけています。
主人公のペク・クァンヒョンには、実在のモデルがあります。朝鮮時代に馬を診る「馬医」から身を起こし、のちに王の主治医である御医にまで上りつめた白光炫(1625〜1697)です。
物語の舞台は17世紀の朝鮮王朝。ともに医学の道を志したカン・ドジュン(チョン・ノミン)、イ・ミョンファン(ソン・チャンミン)、チャン・インジュ(ユソン)の3人が、朝廷の陰謀に巻き込まれて友情を壊してしまうところから始まります。
罪人とされたカン・ドジュンの子は、処刑を免れるために奴婢ペク・ソック(パク・ヒョックォン)の娘とすりかえられます。
こうして、本来なら医官の家に生まれるはずだった男の子は「ペク・クァンヒョン」として牧場で育ち、馬を診る腕を磨いていきます。
一方、すりかえられた女の子は「カン・ジニョン」としてカン家の娘となり、医女の道を歩むことになります。
記事のはじめに掲げた相関図で、カン・ドジュンとペク・ソックから伸びる「実の親子」の線が交差しているのは、このすりかえを表しています。育ての親は、ちょうど逆になるわけですね。
成長したクァンヒョン(チョ・スンウ)は、馬医として卓越した腕を見せながらも、身分の壁に何度もぶつかります。
それでも人を救いたいという思いを捨てず、やがて人を診る医術の世界へ、そして内医院へと足を踏み入れていく。これがこのドラマの大きな流れです。
ヒロインのカン・ジニョン(イ・ヨウォン)は医女。幼いころに結ばれた縁が、身分を越えてふたりを再び引き寄せていきます。
ふたりの周りには、イ・ミョンファンの息子でジニョンに想いを寄せるイ・ソンハ(イ・サンウ)、そしてクァンヒョンに心を寄せる淑徽王女(キム・ソウン)がいて、四人の関係が物語を大きく動かしていきます。
王室側で登場するのは、朝鮮王朝第18代王の顕宗(ハン・サンジン)、その妹の淑徽王女、母の仁宣大妃(キム・ヘソン)。
淑徽王女はジニョンとも身分を越えた友人になり、王女という立場と自分の気持ちのあいだで揺れていきます。
この作品の見どころは、なんといっても医療の場面の丁寧さです。
馬の治療から人の外科手術まで、当時の医術がかなり細かく描かれていて、「医療ドラマとしての時代劇」という趣があります。
全50話と長丁場ですが、身分・医術・恋・陰謀がきれいに絡み合っていて、イ・ビョンフン作品らしい安心して見ていられる作りになっています。
登場人物の多い作品なので、まずは相関図で「かつての親友3人」「クァンヒョンとジニョン」「王室」という3つのかたまりを押さえておくと、序盤からぐっと見やすくなるはずです。

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