「芸汐<ユンシー>伝 〜乱世をかける永遠の愛〜」は2018年の中国ドラマです。原題は「芸汐传」、全48話(ほかに番外2話)。中国では2018年6月25日から8月15日まで愛奇藝(iQIYI)で配信され、2020年2月12日からは湖南衛視でも放送されました。原作は芥沫の小説「天才小毒妃」です。
主演は鞠婧禕(ジュー・ジンイー)と張哲瀚(チャン・ジャーハン)。監督は林健龍(ラム・キンルン)と劉鎮明(リウ・ジェンミン)、脚本は金媛媛(ジン・ユエンユエン)です。
医術と毒術にたけた太医の娘が、聖旨ひとつで秦王のもとへ嫁がされる——という始まりの時代劇ラブストーリーです。48話と長く、毒宗・韓府・秦王府・天寧皇族と勢力も入り組むので、人物の関係を一度整理しておくと見通しがぐっとよくなります。
そこで全48話を3つに分け、区間ごとに人物相関図を作りました。この記事はその1本目、第1話から第16話までの顔ぶれです。先の回の人物やネタバレは入れていません。
人物相関図
どこで見られるか(2026年10月時点)
配信の状況は入れ替わりが早いので、見るときは各サービスの作品ページでお確かめください。
日本ではDVD-BOXが全3巻で発売済みです(BOX1=2021年5月7日、BOX2=6月9日、BOX3=7月7日。発売元はフォーカスピクチャーズとブロードウェイ)。全48話を24枚に収め、音声は中国語、日本語字幕つきです。
配信は、Hulu(日本)とU-NEXTのいずれも見放題で全48話が見られます(2026年10月に各サービスの作品ページで確認)。
Amazonプライムビデオでは、プライム会員の見放題には入っていません。1話ごとのレンタル(220円)・購入(550円)か、FODチャンネル for Prime Videoへの登録で見られます(第1話は無料で観られるようになっています)。
日本語吹替は、日本の発売元・配信各社のいずれの資料にも記載がありません。
あらすじ(第1話〜第16話)
花婿のいない婚礼(第1話〜第3話)
天寧国の太医・韓従安(盧星宇)の娘、韓芸汐(ジュー・ジンイー 鞠婧禕)は、聖旨によって秦王・龍非夜(チャン・ジャーハン 張哲瀚)に嫁ぐことになります。輿入れの道中、芸汐は母の形見の手鐲(腕輪)に導かれて不思議な境地に入り、そこで得た神幽草で顔の傷を自分で治してしまいます。
ところが婚礼の当日、肝心の花婿が現れません。芸汐はひとり婚房で夜を明かします。真夜中、傷を負った見知らぬ男が部屋に転がり込み、芸汐は医術でその男を助けました。男こそが、戦から戻ったばかりの夫・龍非夜でした。
二人にはそれ以前にも接点がありました。1か月前、非夜は崖の上の神廟で太子の手下と戦い、地下牢に囚われていた「小毒蠱人」と一冊の毒蠱経録を奪って脱出します。退却の際に崖から落ち、そこで薬草を採っていた芸汐にぶつかって、二人そろって谷へ落ちました。目を覚ました芸汐は非夜に薬を盛って経録を持ち去り、追いかけっこの末に毒の霧が立ちこめる結界へ飛び込みます。その先が薬鬼谷であり、谷主の顧七少(ミー・ルー 米熱)との出会いでした。
第2話では、太后(張瑞珈)が「秦王は幼いころ風露茶が飲めなかったはず」という嬤嬤の記憶から、目の前の龍非夜の素性を疑いはじめます。そして第3話、太后は芸汐に「おまえの母は生きている」と告げ、母の手鐲を渡す代わりに、秦王の体に印があるかどうかを探る内通者になるよう迫りました。母に会いたい芸汐は、この条件をのみます。
大理寺卿殺しの濡れ衣(第4話〜第13話)
秦王府で芸汐は、毒を抜く治療にかこつけて非夜の体を検めますが、なかなか印は見つかりません。そのあいだに都では大理寺卿が殺され、非夜に疑いがかかります。この殺しを仕組んだのは顧七少でした。薬鬼谷の谷主として芸汐を助ける彼には、北厲が天寧に放った間者というもうひとつの顔があり、太子・龍天墨(孫子航)と国舅(高雄)に「借刀殺人」を持ちかけていたのです。
西邱国からは公主・楚清歌(シュー・ジャチー 許佳琪)が和親のために輿入れしてきます。父王を天寧との戦で龍非夜に討たれており、その復讐のために天徽帝(フー・ビン 胡兵)の後宮に入った人物です。
太子が二人の大臣を毒殺すると、疑いはまた非夜に向きました。芸汐は大理寺に乗り込んで検屍を行い、ここで太医の顧北月(李瑞超)と出会います。遺体の首から毒蚊の痕を見つけ、事件の筋道を手繰っていきました。一方、早く帰宅した非夜は、妻が太后の密偵だと見抜いてしまいます。
第10話、芸汐はついに非夜の体に風族の印を見つけます。趙嬤嬤からは、非夜が幼いころ「命に煞を帯びる」と占われて郊外の行宮へ出され、先帝の崩御で宮に戻る途中に大火に遭って死にかけた、という過去も聞かされました。
第11話から第13話が、この区間の山場です。捕らえられた万艶閣の花魁・雨沢(黄露露)の口から、黒幕が太子であることが割れます。芸汐は穆清武(賀友寧)の毒を治すと申し出て、期限に間に合わず投獄されますが、顧北月が治療を引き継いで持ちこたえました。そして第13話、非夜が証拠を突きつけ、真の黒幕は国舅だと明らかになります。国舅には毒酒が賜られ、その執行役を務めた非夜は、死にぎわの国舅にだけ「自分は大秦の後人だ」と明かしました。
雨沢は口封じに太子から毒を盛られます。顧七少は金針でその息を止め、いつか目覚めさせるために彼女を連れ帰りました。
里帰りと、もうひとりの女(第14話〜第16話)
長冰公主(劉秦杉)の顔に毒瘡が出て、太后みずから芸汐に治療を頼みに来ます。芸汐は千年血玉を取りに行くふりをして太后の宮を探りますが、見つかってしまい、母の命を盾に「秦王府でおとなしく目になれ」と改めて脅されました。
里帰りの日、芸汐はひとりで韓府へ戻ります。徐夫人(童彤)と腹違いの妹・韓若雪(劉炅然)は秦王妃の身分も無視して嘲りますが、そこへ非夜が馬を飛ばして現れ、妻をかばいました。若雪はその日の宴で芸汐の侍女役をさせられ、側妃になる夢も砕かれます。弟の韓雲逸(金湘棟)は、姉がこの家でどんな扱いを受けてきたかを非夜に言いつけました。
第16話、非夜は韓府に泊まり、同じ寝台で眠ります。芸汐のために薬房まで建てていたことも明かされました。二人が近づいていくその時、宜太妃(譚琍敏)の姪にあたる百里茗香(シャオ・シュエツォン 邵雪聡)が都に上がってきます。非夜の幼なじみであり、宜太妃が嫁にと望んできた相手です。ここから物語は次の区間へ移ります。
図の読み解き
秦王府 ― 冷たい夫と、その周り
龍非夜は天寧の秦王で、表向きは天徽帝の弟にあたります。宜太妃は血のつながらない養母ですが、実の親子のような情で結ばれています。楚西風(趙毅新)は非夜の懐刀といえる侍衛です。
唐離(ワン・ヨウシュオ 王佑碩)は唐門の少主で、非夜のために動く青年。欧陽寧静(リン・スーイー 林思意)は雲空学院の令嬢で、幼なじみの唐離をどこまでも追いかけてきます。この二人のやり取りが、重い本筋のあいだに置かれた息抜きになっています。
薬鬼谷 ― 助けてくれる人が、敵でもある
顧七少は薬鬼谷の谷主で、芸汐に一目で惹かれ、何度も危ういところを助けます。ただしその正体は北厲が天寧に放った間者であり、大理寺卿殺しを仕組んで非夜に濡れ衣を着せた張本人でもあります。
雨沢は万艶閣の花魁で、顧七少の配下。彼に想いを寄せています。侍女の茱萸(李淑婷)は、非夜の侍衛・楚西風に心を寄せており、のちのちまで物語に顔を出します。
天寧皇族 ― 秦王を潰したい人たち
天徽帝にとって、力を持ちすぎた秦王は目の上のこぶです。皇太子・龍天墨と国舅は結託して非夜の暗殺をくり返し、第13話で国舅が処刑されました。太后は芸汐に密命を与えた張本人で、母の命を切り札に握り続けます。
長冰公主は勝ち気な天寧の公主で、穆清武に想いを寄せています。楚清歌は、復讐のために天徽帝へ嫁いだ西邱の公主です。
韓府 ― 芸汐が育った家
韓従安は首席太医で、芸汐の父。表向きは娘に冷たく、二姨娘の徐夫人と妹の韓若雪がいじめるのを放っています。弟の韓雲逸(三姨娘の子)だけは、姉を慕っています。この家の冷たさには別の理由があるのですが、それが分かるのはずっと先です。
主な配役(この区間)
| 役名 | 俳優 | 役どころ |
|---|---|---|
| 韓芸汐 | 鞠婧禕 | 太医の娘。医術と毒術の天才で、秦王妃になる |
| 龍非夜 | 張哲瀚 | 秦王。体に秘密を抱え、朝廷から狙われている |
| 顧七少 | 米熱 | 薬鬼谷の谷主。正体は北厲の間者 |
| 唐離 | 王佑碩 | 唐門の少主。非夜のために動く |
| 欧陽寧静 | 林思意 | 雲空学院の令嬢。唐離を追いかける |
| 宜太妃 | 譚琍敏 | 非夜の養母 |
| 楚西風 | 趙毅新 | 非夜の侍衛 |
| 天徽帝 | 胡兵 | 天寧の皇帝 |
| 太后 | 張瑞珈 | 芸汐に秦王府での密偵を強いる |
| 龍天墨 | 孫子航 | 天寧の皇太子。国舅と結託する |
| 国舅 | 高雄 | 太子の後ろ盾。第13話で毒酒を賜る |
| 楚清歌 | 許佳琪 | 西邱国の和親公主。父の仇を討ちたい |
| 長冰公主 | 劉秦杉 | 天寧の公主。穆清武に想いを寄せる |
| 顧北月 | 李瑞超 | 太医院の御医。芸汐に協力する |
| 穆清武 | 賀友寧 | 穆将軍の子。毒を盛られ芸汐に救われる |
| 雨沢 | 黄露露 | 万艶閣の花魁。顧七少の配下 |
| 茱萸 | 李淑婷 | 顧七少の侍女。楚西風に想いを寄せる |
| 百里茗香 | 邵雪聡 | 宜太妃の姪。第16話で都に上がってくる |
| 韓従安 | 盧星宇 | 首席太医。芸汐の父 |
| 徐夫人 | 童彤 | 韓府の二姨娘。若雪の母 |
| 韓若雪 | 劉炅然 | 韓府の二小姐。芸汐を見下している |
| 韓雲逸 | 金湘棟 | 韓府の少主。三姨娘の子で、姉を慕う |
日本での俳優名の表記は、ジュー・ジンイー(鞠婧禕)、チャン・ジャーハン(張哲瀚)、ミー・ルー(米熱)、ワン・ヨウシュオ(王佑碩)、リン・スーイー(林思意)、シュー・ジャチー(許佳琪)、シャオ・シュエツォン(邵雪聡)、フー・ビン(胡兵)です。公式に日本語表記が出ていない俳優は漢字で書きました。
48グループが作ったドラマ
制作は上海絲芭影視(絲芭傳媒)です。SNH48などのアイドルグループを運営している会社で、本作はその資本でつくられました。
主演の鞠婧禕はSNH48の元メンバーで、総選挙の結果から「四千年に一人の美女」と呼ばれるようになった人です。共演者にも、SNH48の林思意(欧陽寧静)・許佳琪(楚清歌)・邵雪聡(百里茗香)、GNZ48の謝蕾蕾(白蘇)、CKG48の劉炅然(韓若雪)と、48グループのメンバーが並んでいます。
撮影は2017年7月10日に横店でクランクイン、同年10月28日にクランクアップ。111日間の撮影でした。薬鬼谷のセットだけで400万元をかけ、2か月かけて組んだといいます。配信の反響も大きく、公開から24時間で再生1億回、7月31日には22億回を超えました。
この区間で押さえておきたいこと
- 婚礼が先、恋は後。 芸汐は花婿不在の婚礼から始まり、しかも太后の密偵という立場で秦王府に入ります
- 助けてくれる人が、いちばんの策士。 顧七少は芸汐の味方でありながら、非夜を陥れた張本人です
- 第13話が最初の分かれ目。 国舅が処刑され、非夜は死にゆく相手にだけ「大秦の後人」だと明かします
- 第16話で百里茗香が来る。 非夜のために身を削ってきた幼なじみの登場で、関係が一気に動きます
第17話からは、非夜の体の秘密と「美人血」、そして芸汐自身の出生が物語の中心になっていきます。続きは次の記事にまとめました。
芸汐<ユンシー>伝 人物相関図シリーズ
- 芸汐<ユンシー>伝 輿入れと濡れ衣編 人物相関図(第1〜16話) ← いまご覧の記事
- 芸汐<ユンシー>伝 毒宗と出生の秘密編 人物相関図(第17〜32話)
- 芸汐<ユンシー>伝 復国と最後の選択編 人物相関図(第33〜48話)
続きはこちら → 芸汐<ユンシー>伝 毒宗と出生の秘密編 人物相関図

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