盛り上がりを見せているNHK大河ドラマの真田丸ですが、その勢いに一気に火をつけたのは大阪編ではないでしょうか。
なんと言っても登場人物が豪華!
小日向文世演じる豊臣秀吉から、山本耕史の石田三成、竹内結子の茶々など、そうそうたる面々が登場します。
戦乱の世を治めようとしている秀吉ですが、その側にいる人達の苦労を覗き見ることができます。とにかく豪華な役者が顔を揃える大阪編ですが、なんといっても最重要人物である小日向文世の豊臣秀吉が素晴らしいです。
怖い!怖すぎる!
秀吉は晩年狂気じみた行動を起こし、人々を恐怖させた、という話は聞いた事がありました。しかし私の今までのイメージでは、低い身分から成り上がった世渡り上手的な人なのかなと思っていたのです。
でも真田丸の秀吉は、へらへらと笑っているようで心は全く笑っていません。自分の目的を達成する為なら手段を選ばない独裁者のように描かれています。
例えば第16回「表裏」では、秀吉が好意を寄せている茶々が家臣の男に気がありそうだと思うと、その男を井戸に落として殺してしまいます。
これは加藤清正(新井浩文)が勝手にやったことになっていますが、死んだ事を聞いた秀吉の表情の変化の無さが怖いです。
この秀吉の言動に真田幸村を始め大阪城内の人々は振り回されっぱなしです。おそらく真田丸人気が高まっているのも、この秀吉に恐怖する視聴者がテレビから離れられなくなっていると思われます。
しかし独裁者モード全開の秀吉でも、ふと弱さを見せるのです。ここがまた小日向文世の素晴らしいところです。
第17回「再会」では、徳川家康(内野聖陽)が大阪に上洛する際、いきなり顔を会わせると緊張するのから前日にこっそり会っておきたい、と幸村に仲介をお願いする場面があります。
「俺は本当は臆病者で、家康にいきなり会ったら緊張して何も喋れなくなる」と言い、真田信繁に「力になってちょー!」とお願いするときの不安そうな顔。
真田丸の秀吉が大好きになってしまう理由です。
圧倒的な権力者でありながら、実はとても人間臭い。
そんな部分を小日向文世が絶妙なバランスで演じています。
天下をとる男とはこんな人なのかもしれない、と本気で思わせてくれる三谷幸喜版秀吉に、これからも目が離せませんよね。
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