てるてる家族は石原さとみ主演の2003年度下半期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)ですね。
NHK大阪放送局の制作で原作は作詞家なかにし礼の「てるてる坊主の照子さん」という小説です。
この小説は、なかにし礼の妻の中西由利子(芸名 石田ゆり)とその家族をモデルにした新聞小説で、舞台は第2次世界大戦後すぐの大阪府池田市サカエ町商店街です。
池田と言えば、2018年度下期の「まんぷく」と同じ場所ですよね。
「家族をモデルにした」ということですが、一家の主は作詞家ではなくて銀行員の岩田春男(岸谷五朗)です。
春男は昭和21年、パン屋になろうと一念発起して九州の佐世保まで妻の照子(浅野ゆう子)と長女の春子(紺野まひる)を連れて、米軍基地でパン屋の修行をします。
2年後、池田に戻った春男は「岩田製パン店」を始めます。
そして、夏子(上原多香子)、秋子(上野樹里)、冬子(石原さとみ)が次々に生まれて、4姉妹が成長していくのが、この「てるてる家族」のテーマになっています。
ちなみに原作者なかにし礼の妻の石田ゆりは石原さとみが演じている末っ子で、長女はグルノーブルオリンピック女子シングル代表の石田治子、次女が歌手で女優のいしだあゆみです。
さて、春男の妻の照子は行動派で楽天家。街頭テレビに群がる人たちを見て、テレビのある喫茶店を作ることを思い立ち喫茶シャトーを開店します。
これが大当たりで、照子は調子に乗って梅田駅前のスケートリンクの食堂も経営します。
このあたりは実話のようで、今の阪急電鉄の本社ビルのところにスケートリンクがあったようです。
春子は努力家タイプで、スケートリンクの食堂の縁でフィギュアスケートを始めるのですが、めきめきと頭角を現していきます。
夏子は佐世保生まれなのですが、難産で生まれ、生後2ヶ月で生死の境をさまようのですがペニシリンで命を救われたというエピソードの持ち主です。
美人で華がある夏子は最初は春子と同じフィギュアスケートをするのですが、芸能事務所にスカウトされて東京に移り、NHK紅白歌合戦に出場するなどスターになっていきます。
背が高く成績が良い優等生タイプの秋子は、一面ではマンボを踊ってストレスを発散させます。
インスタントラーメンを開発している安西千吉(中村梅雀)に憧れ、一時は家出して安西家に居候したこともあります。
結局、大学に進学してカップラーメンの研究に勤しむようになります。
そして、子供っぽくて陽気で行動派の主人公の冬子ですが、ひょんなことから宝塚音楽学校に入学するのですが、次第に家業のパン屋に興味を持つようになり、宝塚歌劇団には入らずに、喫茶シャトーを「ベーカリーてるてる家族」として再スタートさせます。
2036人の中からオーディションを勝ち抜いた石原さとみの初々しさがメインのドラマですが、リンゴの唄を始め、舞台設定の時代の流行歌がたくさん流れ、それにのせて登場人物がミュージカルのように歌い踊るという斬新な演出でも注目されました。
ただ、非常に個性的な4姉妹の話なので、どうしてもストーリーが発散しやすく、朝ドラとしては史上初めて平均視聴率20%割れを記録してしまい、これから8年くらい、朝ドラ冬の時代になってしまいましたね。
もっとも主演の石原さとみはこのドラマで第41回ゴールデン・アロー賞放送新人賞・最優秀新人賞や2005年エランドール賞新人賞を受賞しています。
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